結論から言いますと、素晴らしく良かったです。
どの演出家の先生の作品か全然気にしないで見にいったのですが、終わった後に「演出家誰!!」と調べたぐらいです。(原田諒先生)
チェ・ゲバラの半生を描いているわけですが、非常によく纏まっていました。ほとんど彼の人生やキューバ革命を知らない私でも話の流れが分かりやすく、舞台に置いて行かれることがありませんでした。
ただ、後でネットで見かけた話だと、史実通りではない脚本の様です。でも、大きく筋を違えないのであれば、分かりやすくするために事実を変えるのは「史実を基にした」「創作」であることを考えるとありかな、と思います。興味を持ったら自分で調べればいいわけですから。
漫画にしろ小説にしろ、演劇・ミュージカルにしろ、史実をベースにしたものは「ベースにしている」というだけで丸っと全て史実通りではないのは当たり前のことだと思うので。
ちょっと調べたら、本作中は結婚一回子供も1児の印象があるけど、実際には先妻との間に1児、離婚したのち2番目の妻との間に4児もうけてます。そりゃまあ、宝塚で主役がバツイチってのは描きにくいわな。
そんなわけで、本当に宝塚の台本として良く出来てると思います。
その台本が良いところへ持って来てですよ。
役者まで最高だったら、もう、その舞台は最高に決まっていますよ!
宝塚の生徒さんにお年の話をしてはいけないのですが、一路真輝さんがトップの時に3番手だった方なんですね。私、そのあと贔屓が和央ようか→遼河はるひと変わっているんですが、和央ようかさんより轟さんは先輩なんですね。遼河はるひさん、私と同級生なんですね。何が言いたいか分かります?
あんた、いくつだよ…。(お言葉が汚いです(゚Д゚)@謎さん)
今いるトップさんに引けを取らない美しさ!衰えを知らない歌声!迫力のセリフ回し!!
化け物か!!(お言葉がよろしくなくってよ!!)
よく宝塚の生徒をして「フェアリー」と申しますが、えらい男前の存在感抜群のフェアリーですよ。凄すぎる。こんなん反則だ~。轟さんの周りだけ時が止まってるんだ~。
さすがの存在感、重厚感、初代ルキーニの時に「本物の男がいる」と作品の本国ウィーンスタッフに言わしめた男らしさ、それらを備えた轟悠のチェ・ゲバラ。最高でした。
エルネスト(チェの本名)の熱さ、熱さを持ちながらも知的さを備えているバランスも実にうまく表現していて良かったです。
いや、もう、素晴らしい。
歌も心地よい低音。台詞も若干聞き取りづらい部分があったのですが、懐かしいイシちゃん節だなぁと嬉しかったです。
さて、その向こうを張るカストロ。革命軍においてはトップの役どころ(エルネストは2番目になる感じ)。これに風間柚乃を持ってきた。確かまだ新公学年のはず。(新公学年=若いと言う事)
轟悠に相対すると言う事は、相当の存在感と力量を持っていないとバランスが悪くなってしまう。作品が成り立たなくなる。
そんな責任重大なフィデル・カストロ役を見事にやりきっていました。
いや、何回かこの生徒さんの舞台見てるけど、とんでもないよこの生徒さん。
空恐ろしい…。
このまま順調に育ってほしいと願わずにおれません。
他の生徒さんも良かったですよ~。私の頭のキャパシティがないから役の名前とか覚えて生徒名とすり合わせ出来ないのが残念ですけど。皆で作品を支えているんだなぁと感じました。
本作品、なかなかの良作でしたね。
おまけですが、初めて日本青年館の二階席に座ったんですが、足がギリギリ床に着くぐらい座席が高くて(わたくし159cm)ビックリ。私より小柄の方は足がぶらぶらします。落ち着かないよなぁ。足置き台とか貸し出してんのかな。
あと、前回書いたトイレの扉。空いたことが分かるプレートが一部のトイレに取り付けられていました。要望出した方いたんでしょうね。いくらか問題点は改善されているようでした。