フランク・ワイルドホーンが手がけた噂のミュージカル「ドラキュラ」、和央ようか主演ということで楽しみにしていました。
話の筋や役者は良かったのですが、なにしろ深く書き込むと言うところがなく、上辺だけをさっとなぞるような脚本の作りになっていたので、感情移入ができなかったのが残念です。
たかちゃん、花ちゃん以外の役者さんを知らないので、誰がどうと言うのはわからないのですが、みなさん端まで粒ぞろいの役者陣でした。
脚本がどうもその役者を生かしきっていないのが痛いですね。
音楽は良かったです。ただ、もう少しドラマチックでも良かったかもしれない。
特筆すべきは、お花様でしょうか。花總まりはとんでもないお方です。伊達にトップ娘役を12年もやっていません。
なんといっても、現役時代から劣ることのない美しさが目を見張ります。そして、演技が素晴らしい。現役時代よりも生き生きと演じていたように感じられました。
いや、ほんと、はなちゃんにやられっぱなしでしたよ。
たかちゃんは、正直もう「男役」は無理かな、と。ただ、「男に見えない、でも女にも見えない」という完全な中性さがドラキュラという異質な生き物にはぴったりだったように思います。この世の者ではない感じが良く出ていたのではないかと。
おそらく、その辺をねらっているのかな、と言う気もします。歌が低音だけではなく高音も結構ばんばん使っていたので。男に見せたいなら低音を重視するでしょうから。
久々にたかちゃんの歌が聴けてうれしかったです。やっぱ好きだなぁたかちゃんの歌。
それにしても、マイク調整がいまいちな感じで歌が良く聞こえない時もありました。国際フォーラム自体が音響悪いのでしょうがないのかもしれませんが。Cホール自体は、演劇を観るには手頃な箱だとは思いますけどね。
そんなこんなで、作品の出来としてはちょっと物足りなかったですが、たかちゃんと花ちゃんが観られたので良しとします。