千秋楽を無事に終えられたとのことで、祝着至極にございます。
さて、私が大絶賛の講評で終わらせる訳がございません。
このひねくれ具合が、私の私たる所以でございます。
そんな訳で、いくつかの難点を挙げたいと思います。
最大の欠点は、暗転が多いこと。
暗転は無いと客も集中力が持たないのですが、多いと集中力が切れてしまい飽きてしまいます。
また、せっかく入り込んだ世界から放り出される訳ですから、感動が薄くなってしまう危険もはらんでいるわけです。
今回、脚本が良くて感動的な芝居でしたから、大きなマイナスになるほどの事態には陥りませんでしたが、一歩間違うと評価をガタ落ちさせる危険な状況だったのではないかと思います。
もう一つの難点は、時間軸が分かりにくかったこと。
まっすぐ一直線の時間軸かと思いきや、何時の間にか過去に遡っていたりとかして、やや混乱しました。
演出で上手く時間が遡っていることを表現出来たのではないかと思うのですが。
役者さんに関しては、ほとんどの方が素晴らしい演技を見せてくださったのですが、中に棒読みの方がいらっしゃったのが残念です。
感動的な脚本も、演技が下手だとちっとも心に届かないものだと思いました。
ま、役者陣の点数をつけると100点満点で200点つけるところを195点にする程度のマイナスポイントですけどね。
役者といえば、あひちゃんのライフル銃の反動表現がおかしかったように思います。
後ろへの反動がなかったんですね。筒先の跳ね上がりだけで。
男性が撃ったときは後ろへの反動が入っていたので、多分それが正しいと思いますね。女性だとなおさら反動が来ると思うので。
オリンピック選手だって反動があるような気がするんですよね。いくら八重さんが砲術のプロでも反動がないってことはないかと。
得物でいえば、殺陣はまあまあだったでしょうか。
どうしても殺陣と言うと、キャラメルボックスと比べちゃうんですが、殺気と気合とガチンコ加減がちょい足りなかった。
ただ、足場が狭い状態でやっていたので勢いとかつけにくかったのかな?とも思いますが。
足場が広い時は、やられ役の方が跳んだりして迫力ありましたからね。
それと、若い方が多かったので、刀と薙刀に慣れるだけで大変だったのではないでしょうか。得物は慣れですしね。特に刀あたり。
殺陣で良かったのは、なぜ長物が刀より有利かと言うのがよく分かる殺陣になっていたこと。無理がなかったんですね。
何となく時代劇とか見ていると、刀が強そうに見えるけど、本当は槍や薙刀の方が有利なんですよね。
だから、得物に慣れない農民には槍を持たせ、女には薙刀を持たせると。
難点、欠点ってそんなもんでしょうか。
あ、大砲隊を指揮する素敵にかっこいい八重様を期待していたのですが、それがなかったのも欠点かしら?(笑)
なに?妄想でカバーしろと仰いますか?(笑)
脚本も、カンパニーもとても良かったし、脚本・演出・演技をもっと練るともっと良くなる余地が大きいので、ぜひ再演して欲しいですね。
あひちゃんファンではない人にもぜひ見て欲しい舞台でした。