乳児のころから宝塚歌劇団には連れて行かれていたらしい。でも、年に一回ぐらいしか遊園地に行けない子供にとって、宝塚は正直ファミリーランドがお目当てだった。
そんな女の子が生まれて初めて感激し、「ミュージカル大好き!!」と思ったのが1986年に日本で上演された日本版ブロードウェイミュージカル「アニー」だったのである。
レコード(歳バレバレ)を買ってもらい、毎日トゥモローを歌いまくり、パンフレットを何度も読み、テレビでアニーのオーディションの模様を流していたのをたまたま見かけた日には親に「受けたかったのに!!」と駄々をこねて困らせた。
いーなー、舞台とか出てみたいなー、などと思うようになったきっかけもアニー。
もっともまあ、何が何でも舞台に出たいとは思わなかったので単なる憧れでしかないわけですが。
いやいや、昔は可愛かったのよwww(と、いっておく)
そんなこんなで、超楽しみにしていた。
もう、ものすごく楽しみだった。
お席はバルコニーの二列目で、よく見えるので喜んだ。
が。
上演が始まると前のめりになる最前列(ほぼ全員)。
舞台が全く見えなくなる。
友人が注意してくれたが、全く聞かず最後まで前のめりだった。
ぜひ、前のめり禁止を世界基準の観劇ルールにしていただきたい。
私は前のめりで観劇する人間に殺意を覚える。
だいたい、二列目以降だとか宝塚みたいに花道があるとかなら前のめりもまだわかる。
二列目だってちゃんと見える客席構造なのに最前列で前のめりで見なきゃいけない理由を述べよ。疲れたとかならまだ許すが、初めから終わりまで前のめりとかありえない。
でもまあ、最前列の人間の首を刎ねて回らなかったのは、私が疲れてたからだ。
そう、かなり疲れてて集中してみることができなかった。
これが体調絶好調で集中してみてたら、たまったもんじゃなかっただろう。
ちなみに、劇場は古くてオペラの劇場みたいな金の装飾で趣があります。座席幅はちょっと広め。でも前との幅は狭め。
全体的に劇が始まる前も後も客席は照明暗めです。
さて、ミュージカル自身ですが、これはもう、凄い!の一言に尽きます。
主人公をはじめとする子供たちは当然のこと、端の端の役に至るまで歌が上手すぎる。
日本のミュージカルって最後のいつ見たっけ?レベルなので、今はみなさん歌が上手いのかもしれませんが、今まで私が見てきたミュージカルの中で最高レベル。
瞳子さんのミュージカルコンサートでびっくりしたオペラ座の怪人より凄い。
その、とんでもないレベルでトゥモローを歌われた日には涙ぐむしかないでしょう。疲れてなかったらたぶん、涙腺崩壊しまくってたかも。
さすが、本場は違う・・・。
アメリカだなーと思ったのは、キャストの人種が色々だったこと。白人系はもちろん、黒人系もいるしアジア系もいるって感じ。劇中当時のニューヨークに日系孤児がいたのか?と思うけど、キャストには日系の女の子がいましたねー。
いやー、他の演目もこのレベルだったら、こりゃミュージカル好きにはたまらんですなぁブロードウェイ。
もっとも、脚本がいいか悪いかはわかりませんがね。英語なんで。(アニーは筋的には、まあまあ)
あと、アニーは古いミュージカルなので舞台演出の派手さはありません。そういうのが好きな人には不向きです。
オン・ブロードウェイのミュージカルは割と日本でも日本人キャストで公演しているので、見たことのあるミュージカルがやっていれば、それを選ぶのが無難ではあります。やはり筋がわからないと、どんなに歌や踊り演技が凄くてもつまらないので。
ちなみに、私はウォーバックス役の方がお気に入り。とても声がよかったので。
いやあ~、客は悪かったけどショーは良かったです。