なんと、2009年の光の帝国を最後に演劇集団キャラメルボックスの舞台を観劇しておりませんでした。
他の舞台は見たりはしているようなんですが、別にキャラメルに飽きたとかそういうわけではありません。感想の出ているラインナップみると、友達のお誘いか、タカちゃんアヒちゃんの舞台かって感じなので、やはり自分でチケットを取って見に行く気力があまりなかったんだなぁと。
そんなわけで、久しぶりのキャラメルはダブルキャストだったので、やはりお気に入りの畑中君が出ているBlackチームのお芝居にしました。
畑中君が老けてたわw
そりゃまあ、5年も経ってりゃ老けるってもんですわ。
でも、老けた分落ち着きが出てきたかな。んでも、相変わらず、かわいー男の子でしたわw
さて、今回の「鍵泥棒のメソッド」。
どうやら、映画が原作だそうです。内田けんじ作・監督、堺雅人・香川照之・広末涼子などの出演で公開されたとか。
そんなことも露知らず、見に行ったわけですが・・・・。
いやあ、やはり、しっかりした脚本・演出の舞台に素晴らしい役者が乗ると、いいものができますねぇ。
ものすごく当たり前の話なんですが、世の中その当たり前ができないものなんですよ、と日比谷、兵庫方面に向けて言ってみる。
先にも述べたように、今回はダブルキャストです。
ヅカだとご贔屓目当てで見に行ったら終わりか、他の生徒さんが嫌いでなくて興味があれば見に行くとか、とにかく役者が見たくて回数重ねるわけです。脚本とか演出がどうこうってのはない。
ところが、脚本・演出がいいともう一人の役者をよく知らなくても、
「この同じ台本を使うのに、役者で話がどう違うか見てみたい!」
と思うわけですよ。
畑中君さえ見られればと思ってたんですが、見終わったら多田君の主演も見たくなりました。
この台本を役者の個性がどう印象を変えるのか。ものすごく見たいと思いました。
知らない役者さんでも、役者の数だけこの台本の主人公・桜井を見て見たい。
だって、きっと何度見たって飽きないもの。
来週末は予定があるので残念ながらもう一つのWhiteチームが見られません。それがもう、悔しいですね。
多田君はあまり印象がなくてどんな桜井なのか想像つかないけど、それが楽しみになる。
それはね、やっぱり本が面白くないと、そう思わないのよ。
役者に関して言えば、演技の下手な役者の桜井、冷徹な殺し屋と記憶喪失のために善良な男を演じ分けなくてはいけないコンドウの二つの役はかなりの難易度。
そこを畑中(桜井)・阿部(コンドウ)両名は見事に演じていました。特に阿部さんの鋭い視線と優しい男の瞳の切り替えが凄まじい。別人、完全別人28号、なのにちゃんと一人の人間として成立している。
ヒロインの水嶋を演じた安里ちゃんは、不自然な硬さの女性をそのまま不自然に演じていて若干違和感。幼少期から不自然までに硬い性格や物腰だったわけだろうから、その不自然さを自然にやって欲しかったな。
西川さんは相変わらず優しくてユーモアタップリのヒロインのお父さんを素敵に演じていました。西川さん好きだわー。
また、機会があれば積極的にキャラメルを見に行こうと思います。
派手さはありません、役者さんもテレビとかで有名な方々ではありません。
でもそこには、良く練られた台本と演出に支えられた、素晴らしい役者さんが紡ぎ出す真実良質な舞台があります。