なんだか評判がいいので、行ってみたいと思い立ったものの・・・月組ファンの友人から「どこにもチケットないよ」と言われ打ちひしがれておりました。
んがしかし。宝塚のチケットは縁があれば出てくるものでして。今回、探してくださった方には本当に感謝です。次回お会いした時には喜びの求愛ダンスでお礼を・・・(いらんわ)。
で、見に行って大正解、大感激!!
こりゃあ、もう、チケットないのも頷けます。
作中、いろいろすごいぞポイントをインプットしてきたのですが・・・
最後の国王様の
キレッキレッのダンス
にすべてを持っていかれかけましたwww
国王様は専科さんです。美城れん氏です。84期の桐生園加さんと同期なので専科と言ってもそんなにお年と言うわけではないんですが・・・通常若手専科さん以外は踊りませんよね・・・。
それがもう、水を得た魚のようにキレッキレッでカッコよく踊っていらして、どれくらい凄いかと言うと上手ばかり見ていた私の目の端に映った瞬間、あまりのカッコよさに確認のために下手を見たら国王様で二度驚くと言う・・・。
もう一度見たいです、国王様のダンス。本気で惚れます。
さて、国王様に終始するわけに行かないので、修一郎、すごい!つよい!(作品が違う)を書かないといけませんね。
まず驚くのはその配役。
宝塚は通常、トップの男役と娘役がカップルになるのが基本です。
中には、ヒロインを男役が性転換して女役になってやる場合などには娘役トップは二番目に重要な女性の役に回ることもあります。
が、今回、一番重要な役であるとは言え、ヒーロー(男役トップ)の相手役ではないマリーアントワネットに娘役トップを配し、相手役は役替わりで注目株娘役(というんですかね)にやらせるスタイル。私は今まで見た記憶がないか忘れているかです。
これは思い切ったな、と思いました。
マリーアントワネットの比重を軽くし、オランプ(男役トップの相手)を重視して作品を作ることも可能だと思うんです。でも、それをすると、国王側と民衆側という二本軸がぶれて話が薄っぺらくなる。マリーアントワネットは国王側の軸なので。
反対もあったんじゃないかと思うんですよ、劇団内で。
それを押し通せたのは、劇団内でも変革を望む声が強いのか、はたまた小池先生の功績にだれも文句が言えなかったのか・・・前者だといいけど後者だろうな的な。
あと、これは最近の宝塚をそんなに見てないので分からないのですが、音楽が毛色違いますよね。
現代っぽいっていうか、さすがに今ではないけどちょい前ぐらいのポップ系っぽい?
すいません、音楽詳しくないのでどう表現していいのか。
そして、私が最大級で感激したのは、メインキャストに写真付きで載らないような役の路線生徒にも十分な見せ場があったこと。娘役にも。そのせいか、みんなキャラが立ってる立ってる。月組の力を最大限発揮していて、「月組を見たー!!」という満足感があります。
以下、キャストの感想です。
どっちかっていうと可愛い綺麗な顔立ちの男役さんなので、底辺の男の役はどうなんだろう?と思いましたが、そこは優等生、そつなくこなしております。
辛い事言えば、もっとドギツイ個性が欲しいところです。が、最初は印象が薄いのに主張を持って声に出して言い出すとどんどん存在感が出てくる。こういうところは上手いかも。
なんでも器用にこなすのが、逆に仇になってる感がありますね。
んでも、月組の個性派揃いを率いてるだけあって埋没しないのはさすがです。さすがトップだ。
でもって、マリーアントワネット役の愛希れいか。
とにかく、存在感が重要なマリーアントワネット役を見事にこなし、豪華な衣装に着られないのが素晴らしい。さすが、宝塚の娘役。
息子を亡くしてからの切り替わりも見事でした。説得力があります。
今回特筆すべきは何といっても悪役の二人。
国王派のアルトワ伯爵(国王の弟)役の美弥るりか、そしてペイロール伯爵(将校)役の星条海斗。
弟君の妖しい悪役ぶりと、ペイロールの力で民衆をねじ伏せようとする悪役ぶりは圧巻。
もう、見てくださいとしか言いようのない演技。
もう、ペイロールなんか出てきたら「来た来た来たー!!」ってぞくぞくしましたよ。
この二人無くして、この話は成立しません。
美弥さんはもう、すごいよね。凄いという言葉しか出ない。
マギーはね、マギー好きだから今回泣きそうでした。こんないい悪役演じるようになるなんて。おばちゃんうれしいよ。
さて、民衆側も負けてません。
ロベスピエール役珠城りょう。
なんだかいい奴。でも、この時点はいい奴なんだよな、たしか。
頭の中のロベスピエールはスカーレットピンパーネルのあれなので、さわやかさんでビックリしました(笑)
ダントン役沙央くらま、とデムーラン役凪七瑠海。
三人合わせて民衆派の中心になっているわけですが、三人並べると凪七さんは存在感が若干うすい。悪役とかガッツリやらせると育つかも。
そうはいっても、三人団子になりそうでならないのが月組のいいところかな。(沙央さんは専科さんですが)
あと、気づいたところでは、ネッケル役光月るう。
民衆の事を考える王宮の中にあって唯一良心的な政治を一生懸命行おうとする人柄がにじみ出ていて良かったです。
そして、秘密警察の筆頭ラマール役紫門ゆりや、と部下たち(すみません、役名に確証ありません・・・)
終始お笑い担当でしたが、なにげに重要な役だったりもしてピエロ的な役を時々滑りながらもよくやっていました。滑るのを気にしちゃいかんぞ、台本が悪いw(アドリブだったりして)
そんなこんなで、とても満足のいく公演でした。
もう一回見たいですね。