月組・美弥るりか主演『瑠璃色の刻(とき)』を見てきました。
本公演以外の公演を見る機会ってそんなにないのですね。でも、小作品には結構伝説になるような公演もありますので楽しみに見に行きました。
なかなか素晴らしい、小作品の良さをよく使いこなした作品でした。
話の展開自体がドキドキワクワクするような演出になっています。サンジェルマン伯爵を騙る主人公シモンがどうなってしまうのか、展開が読めないので面白かったです。
残念だったのはオチが無難になってしまったことでしょうか。あれだけ盛り上げたのであれば、ガッツリ悲劇にしてしまってもいいし、劇的にラストを演出してもよかったのになぁと。
舞台装置・美術も洗練されていて良かったです。とても「サンジェルマン伯爵」のイメージを醸していて、素晴らしいと思いました。
そして、本公演では埋もれがちな脇を固める生徒さんの演技や活躍が十分に堪能できて、面白かったです。
光月るうさん、宇月颯さん、白雪さち花さん、貴澄隼人さん、輝月ゆうまさん、夢奈瑠音さんが私の目には活躍が光って見えました。(って、主要な役ほとんどやんw)
光月さんは、可愛い感じの男役さんですけども、その可愛い感じがルイ16世にぴったりでした。
宇月さんは、歌が上手でびっくり。今まで歌の人と言う印象はなかったので。存在感、歌、ダンスと光っていましたね。ロベスピエールと言う役は存在感勝負だと思うのですが、文句なしに合ってました。
白雪さんは、マリーアントワネットの素の孤独な女性の部分と、王妃として威厳を持った態度をとる部分の切り替えが見事。実際に王妃はこんな感じだったのでは?と思わせる説得力がありまあした。
貴澄さん、輝月さんも役どころを良くとらえていましたし、夢奈さんは田舎訛りを良くぞそこまで再現したものだと感心。
主役級の3人は主役級ならこれぐらいできててね、というレベルは超えております。
主人公の友人役を演じていた月城さん、良かったですね。シモンに対してこのジャックが良くないとシモンの苦悩ややっていることの異常性が浮かび上がらないので、ジャックって役は大事だと思うんです。それを良く演じたと思います。
これだけの脇役が凄すぎる舞台で、主役を張れる、と言うのは美弥さんや海乃さんの持っている物もすごいんだなぁ、と。
しかしなんだ、最近の若い演出家はホント、やらかさないんだなぁ・・・。あ、でもそろそろ中堅か???
そういや、本公演以外の単発作品でもちょっと豪華なフィナーレって付いてるんですね。昔からそうだっけ?簡単なのはあった気がするけど。
あと、宝塚ってフランス革命大好きだね・・・と思ったw
もう、日本人の忠臣蔵・新選組好き並みに、宝塚のフランス革命はバリエーション多い気が。
全体的に本当に良かったので、ラストのあっさり感だけが残念だったかな。