謎のブログ

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ど根性ガエルの娘

 ど根性ガエルの娘の最新3巻を読みました。

 

  一時期ネット上でも余りのブラックさに衝撃が走る、ということで話題になった漫画です。それが本書に掲載の15話です。

 「ど根性ガエル」で一世を風靡した吉沢やすみ氏のお嬢さんが作者の大月悠祐子氏。「ど根性ガエル」のヒット後、父は思うような漫画が描けず、ギャンブルにのめり込んで家庭を崩壊させていく中で育たざるを得なかった作者の物語です。

 

 が、これ、何が怖いって初め掲載していた雑誌社では「家族再生の物語にしよう」と言う方針の下で描かれているので、確かに昔の辛かったことは赤裸々に描かれているのですが、それでもいくつかの事柄は隠されている。そして、連載開始当時には家族はすっかり仲良くなっている、と言う事になっていた。

 

―――――が、本当は連載当時ですら作者は父親との関係に苦しみ続けていたのだ。

 

と言う事が描かれ、初めの頃の話は意図的に雑誌社が作った話に合わせていたことが暴露されたのが15話だったわけです。

 まあ、もちろん、雑誌社の意向に沿う決断をしているのは作者本人で、絶対に事実を曲げずに描くのだ、という意思があればそれを蹴って他の雑誌に行くことも可能だったはずなので、連載初期の会社が全く悪かったわけでは無いとは思いますが。

 でもやっぱり・・・編集者は曲げるんだなぁ・・・。と思わずにはおれません。それが成功する場合もあるし、そうでない場合もあるし、何ともかんとも。

 1巻2巻は現在掲載している雑誌社からも発行されています。

 私が一つ感じるのは、この漫画、時間軸が行ったり来たりしていて、そのたびにエピソードが増えてたりして、非常に読みずらい。

 でも、この読みずらさがそのまま、作者の心の中なのではないかと思うのです。

 きっと、覚えていることも忘れていることも色んなことが上手く整理されずに心の中にごちゃまぜになっているのではないかと。

 

 心の整理をしながら生きることが出来なかった。納得いかないまま、傷ついたまま、辛いまま必死に生きてきたのだなぁと。

 それでも、自分を支えてくれる旦那がいて、漫画を描いて生きている、そして今この漫画を描けているのは、彼女が必死に色んな物と闘って勝ち取ったもので、そのことが少しホッとさせてくれることですね。 

 

 さて、作者の本当に描きたいことは何なのか。

 先が楽しみです。

 

 

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