楽しみにいていたビリー・エリオットを見に行ってきました!
ビリー・エリオットとの出会いは、英語学習者向けの洋書。
Penguin Readers: Level 3 BILLY ELLIOT (MP3 PACK) (Pearson English Readers, Level 3)
- 作者: BURGESS
- 出版社/メーカー: Pearson Japan
- 発売日: 2015/07/18
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログを見る
たぶん、簡単な英語で書いてあるので物語が結構端折られているだろうな~とは思うのですが、それでも感動したんですね。
その記憶がずっとあったので、ミュージカルが日本でも上演されると知って、見に行きました。
上演始まってちょっと気になったのが、日本人キャスト版ではありがちな「声量の無さ」ですね。主人公ビリー役は未来和樹くんだったのですが、彼やそのほかの子役を除いた大人のキャストの声量がちょっと足りない気がしました。
そして、これまた日本人キャスト版ではありがちなのですが、コーラスは素晴らしいと言うね。
海外の演出家さんの場合、日本で使われる音を増幅する効果?みたいなのを使わないことが多いそうなので、それで声量が足りないように聞こえるのかなぁと思いました。いや、それで足りないってのは本当に声量が無いわけですが・・・。
でもまあ、劇が進むにつれて耳が慣れてきたので気にならなくなりましたが。
気になるのはそれぐらいで、後はとても素晴らしかった!
特に、その日の主人公ビリーを演じた未来和樹君は本当に素晴らしい表現力の持ち主だと思いました。
確かにね、バレエで体の軸がぶれたりとか小さな欠点はあります。
でも、それを凌駕してなお、有り余る表現力が彼にはあった。
子役さんの場合、どうしても台詞をキチンと言うことに気が向いてしまって感情がこもっていないときがちょっとあったりとかしがちなんですが、そういうところが全くなくビリーの感情が良くこちらに伝わってきました。
特に、1幕最後のビリーの感情が爆発するシーンは圧巻です。
そして、親友マイケル役山口れん君も素晴らしかった。
ビリーをぐいぐい引っ張るお調子者の強引さと明るさがとてもチャーミングで憎めない感じが、ビリーの、そして観客の救いになってました。すごいすごいと私が言ってる未来君に負けない存在感、劇の中でとてもいいバランスでした。
他の子役さん達も、生き生きとしていて、おばちゃん見てて顔が綻びましたね。
大人では、やはり、お父さん役の吉田鋼太郎さんとウイルキンソン先生の柚希礼音さんが特筆に値しますね。
吉田さんは、炭鉱夫らしい剛直さと男らしさ、そしてその一方でビリーやそのお兄ちゃんを思う父親の大きな優しさがドン!と舞台にあって、頼もしかったです。歌のソロがあるんですが、上手い下手じゃなくて「この歌はこのお父さんにしか歌えない」と言う味があって素敵でした。
ちえちゃん(柚希礼音)は、はすっぱな、一見するとやる気の無さそうなバレエ教師の役どころがぴったりでした。「どうでもいい」と言いながら、ビリーの才能を開花させようと一生懸命になる姿が胸に響きます。
で、まさか最後にちえちゃんのあんな素敵なお姿を見られるとは!可愛らしくて、がん見しましたのことよ。
演出面でちょっと残念なところもありますが、まあ、細かいことなのでこの際別によし。
私はロンドン版を見ていないのでロンドン版との比較はできませんが、まあ、日本でやる分にはこれが最高レベルかなぁと思います。
子供たちは本当に才能があるので、「日本最高レベル」のレベルをもっと上げてあげてほしいな、と思います。彼らならまだまだやれる!もっと上に行ける!でもそれをすると突出しすぎて舞台としてバランスを欠いてしまう。日本のミュージカル全体のレベルを上げてください。
それにしても、昔に比べて日本人キャストでやるミュージカルも良くなりましたよね。前は脇の方々のスキルが高すぎて真ん中の有名人のスキルの低さが目立ってたりとかしてたような気がするんですわ。スキルの高い真ん中は山口祐一郎さんとか一部しかいなくて。まあ、昔も今もそんな沢山見てないので断言できませんけどね。
子供たちの才能に、これからの日本のミュージカルはどんどん向上するんじゃないか、と言う希望が見えました。
うーむ、ビリーもマイケルも子役全員、見たいな~。