なんだかやっぱりシンドイ(゚Д゚)@謎です。う~ん。お天気のせいかしら?風邪は治ったのにね。
さて、普段は映画のレビューはFilmarksで書いてTwitterで共有して、ブログには書かないのですが、ネタもないので今日は「スパイダーマン:ホームカミング」をみて思ったことなど。ガッツリ、ネタバレがあるので未見の方は読まないでくださいね。
「スパイダーマン:ホームカミング」は傑作だと思います。それも、何歳から理解できるかはちょっとわかりませんが、未成年から大人まで楽しめる「大衆娯楽作品」です。
迫力のあるアクションやCGなどはもちろん大事ですが、楽しめる作品と言うのはまず脚本の作りこみがあってこそ、だと思います。
さて、この先は折りたたんでおきますね。
今回のスパイダーマンで良かったのは、スーパーパワーを持ちながらも主人公が等身大の普通の高校生であることと共に、周りの大人たちが主人公を「見守っている」ところ。
トニー・スタークはピーターに色んなハイテク機能をつけたスーツを与える代わりに、無謀な使い方をしないように手を加えたり、きちんと行動を把握しようとする。まあ、それをうっとおしく思って抵抗するのがまた、ピーターの子供らしさで可愛いんですけどね(いや、可愛いと言ってちゃいけないけど)。
それって、なんというか、スマホを子供に買い与える親の姿に似ているなぁと。
パワーを与える時には、使いすぎないように配慮し、使い方を監視する。でもここで大事なのは「子供を信じて、何でもかんでも制限しない」こと。制限するために監視するのではなく危ない事態にはまり込む前に引っ張り出すために監視する。キチンと扱えないときには取り上げることも必要。
もちろん、トニーのピーターへの言葉の数々もいい。尊敬できる大人だからこそ、ピーターはトニーに認めてもらいたいと思うと思うのです。ああ、そういう大人の姿、いいですね。
そして、そんな尊敬できる大人になれたのは、トニーの数々の苦悩と辛い経験を真摯に対応してきたから、と言うのを観客は知っています。だからこそ、スパイダーマンでのトニーの姿が嬉しくもある。
メイおばさん(お姉さんの方が正しい気が・・・)は、毎晩ピーターが家を抜け出すのを知っていた。心配していた。たぶん、本当は咎めなきゃいけないのだろうけども、ピーターを信じて黙っていたんじゃないかなぁと。自分の子供ではない遠慮もあるかもしれないけど、でも、あれだけの心配のしようなら遠慮より心配の方が勝つと思う。
ピーターを信じられるぐらい、メイはピーターをちゃんと見ているし理解している。
そして、助けて、とピーターが言った時には惜しみなく助ける。
実の親子じゃないのにメイに「助けて」とピーターが言えるのは、メイとピーターの間に信頼関係がしっかりある証拠だと思うんですね。
この関係、良いな~と思います。こうでなきゃね、と。
実の親子でも信頼関係ないときありますしね。
「子供を信じてます」っていう親と「あ、うちの親体裁しか考えてないから。口だけだよ」っていう子供とかね。子供って見抜きますからねぇ、自分を見ているか見ていないかって。
学校の先生もいい味出してました。そして、敵に関してもピーターに葛藤を与えてて、さらにそれにピーターがちゃんと答えを出して行くのが良かったです。
自分もええ歳なんで、この映画に出てくるような大人になれたかなぁと、ちょっと考えてしまいました。まあ、子供がいないのでわかりませんが、子供に対した時にそういう姿勢を取れるだけの器の大人になったかなぁと。
信じるところまでは出来ても、チョロチョロ動いてるのを手を出さずにじっと見守るって、結構難しいわけですよ。先回りして色々やってあげたくなるけど、それすると子供ダメにするしね。
いや、だって多分トニーあれよ、スーツだけでもアイアンマン飛ばしてずっとスパイダーマンの行動を見て常に手助けしたかったと思うよ。本当は。発信機だけじゃ行動分からないもの。でもそれじゃスパイダーマンの成長にならない。
子供がいないとそう言う忍耐を鍛える機会が少ないからなぁ。まあ、機会があっても鍛えない人も居ますが。
いやー、それにしても敵役バルチャーのマイケル・キートンが素晴らしかった!!
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」の時のうらびれた役者の印象が強かったので、本役のぴちぴちのイケてるオッサン姿に私、マイケル・キートンだと気づかなかった(おいおい)。
で、信念をもってことを進める頼れるボスって感じが凄くよくてね。悪役なのに憎めない演技がホント素晴らしい。彼の存在感無くしてこの映画の成功はありません。
敵だけど、悪い大人の代表じゃないんですよね。そこも話に深みを持たせてていいですね。彼は彼で、子供にとって良き大人であるためにやったこと。そこが辛い。
もちろん、本作の他にも良い大人が出てくる作品はたくさんあるでしょうけども、こんなにもそのことを考えさせられたのは最近ちょっとなかったので、記事にしました。