先日、話題の宝塚版「ポーの一族」の千秋楽ライブ・ビューイングを見てきました。
たぶん、ほぼ満席でしたね。
ポーの一族、私は演出の小池先生が宝塚でやりたいと熱望していた漫画であるということだけは聞いたことがありますが、内容などは全然存じ上げずと言う状態で見に行きました。
まあ、予習しなくても分かるように作るのが大衆娯楽じゃないのか、と言うのが私の信条ですので「ふっふっふ、とくとその腕前見せてもらおう(上から目線)」と言う気持ちで行きました。
結論から言えば、話の内容はよくわかりました。その上で感情に訴えるものもありましたのでいい舞台だったのではないかと思います。雰囲気も耽美的な要素を崩すことなく最後まで夢のような世界観でしたし。
主役、エドガーを演じた花組トップの明日海りおさんはビジュアルが確かに良かった。
ポスターとかチラチラネットに上がってくる原作イラストとかだとあまり分からなかったのですが、そうかこんなに気性の激しい子だったのか、と見ていてちょっとびっくりするとともに、そんなエドガーを演じ切っているのは凄いな、と思いました。
ポーの一族のヒロインは誰か、と言う問題を見かけたことがありますが、小池先生の出した答えがシーラでした。
私はシーラで良かったんじゃないかな、と見ていて思いました。仙名彩世さん演じるシーラがしっとりとした色香と美しさを湛えながらきらきらと輝いているのを見ると、そんな気になります。メリーベルも重要な役割ですが宝塚の娘役トップの役としては幼すぎると思いますので、この選択は良かったのではないかと。
大好きなのは、老ハンナ役の高翔みずきさん。
その存在感、力強さ、エドガーを慈しみ育てた優しさ、一族の為を思う思いの強さ、どれをとっても遺憾なく表現されていて、老ハンナなくしてこの作品は成り立たないだろうと私は思います。
そして、キング・ポーの一樹千尋さん、カスター先生の飛鳥裕さんも作品を引き締める存在感で、なくてはならない役でした。この公演でナガさんがご卒業となって、寂しいです。
感心したのはフランク・ポーツネル男爵役の瀬戸かずやさんと、ブラヴァツキー役芽吹幸奈さん。この二人、とてもいい役者です。役の雰囲気の出し方、立ち振る舞い、すべてが本当に良かった。こういう生徒は本当に大切にしていただきたい。
ちなみに、くみちゃんは私が再び宝塚を見出したきっかけになった作品の初舞台生で首席入団ですごいな~と感心していた子なので、その子がこんなに立派な舞台人になったかと思うとおばちゃん、感無量でした。
衣裳すてきだな~と思たら、はい、安定の有村先生でした!
でも、加藤先生のお名前もありますので、有村先生お一人ではないようですね。
それにしても・・・小池先生やはり天才だな・・・。
千秋楽なので退団者挨拶もありました。
ナガさんのあいさつで泣いた・・・。
4名のみなさん、お疲れさまでした。第二の人生が輝かしいものでありますように。
ライブビューイング自体については、アップが多くて若干辛かったかな。映画じゃないので舞台全体や少し引いた絵が多い方がいいんじゃないかな、と思います。音はまあまあ良かったです。TOHO系ってそんなに音良くないんですけどね。でまあ、やっぱり劇場には負けるね(仕方ない)。
もうすこし料金やすいといいんですけどね。