謎のブログ

謎の生物(゚Д゚)@謎が書く謎のブログ。気の向くまま風の向くまま。

宮廷のみやび 近衞家1000年の名宝 (東京国立博物館)

 近所の商店街にあるシャッターを閉めっぱなしの古美術店のシャッターには、マメに美術展のポスターが貼ってある。これまたマメにそこをチェックすると、美術展の割引券も有ったりするのだ。これが結構すぐに無くなっちゃうんだよね。

 そんなわけで、その名の通り雅なポスターに惹かれて、たまたま運良く残っていた割引券を取って、持ったまま1ヶ月以上たってしまった。

 うちの妹は、宮廷だの天皇家だのと言ったものが大好きなので、こちらも当然別ルートでこの展覧会の情報を入手して

「行きたいね」

と話していた。割引券だって有るし、絶対行こうよ[E:sign03]と言っていたのにもかかわらず、結局、大雪だのなんだので会期最終日の見学になってしまった。

 結論から言えば、絵や美術工芸品のようなものの出展が少なく、書が多かった。

 もちろん、藤原道長の直筆だとかいろいろな天皇の直筆の書など歴史的に意味のあるものばっかりである。である・・・が、

字ばっかりじゃつまらん[E:gawk]

と言うのが本音だったかな。

 でも、面白かったのが、平安の昔からスケジュール帳形式の日記巻物が有ったこと。巻物に罫線が入っているんですよ、綺麗な直線等間隔で。

sukejyuru.jpg

 こういう感じで、Aの所に日付を書いてBの所は沐浴をしたときは沐浴とかって書いてましたね。Bの下の欄は空欄にしてあって、その下の欄に詳細が書いてある感じ。何か大きな事があったらAの所の日付の隣に詳しくその物事が書いてある感じ。

 今のスケジュール帳とよく似てるんですよね。人間の考えることは古今東西変わらないって事でしょうか?

 それから、勘返状というものがあって、これは今で言うところのアンケート用紙みたいなもの。「○○の件、いかがいたしましょう」と言うお手紙を貰った人が、そのままその手紙のその分の横に「こうしたらいいだろう」と返事を書いたもの。

 昔からそんな方法がとられていたのかと思うと、面白いなぁ、と思いました。

 あと、書を表装して掛け軸にするときの布にも贅をこらすので、その布なんかも展示してありました。季節柄かひな人形や小さな雛道具(銀製)などの調度品もちょこっとありました。

 凄いのが「家凞の世界」と世界を作ってしまった近衞家凞(いえひろ)。

 なんでも書道に関しては、色んな人の書を書き写してその筆跡を学んだんですが、その手本の数が半端ない・・・

 しかも、元になった原本と見比べることが出来るものもあったんですが、コピーかと思うほどそっくり

 この方は、書画(絵も上手い!!)・茶道・有職故実などに長けていたらしく、とても粋な人だったそうです。茶道の茶杓千利休のものとかいっぱい持ってて、それをキチンと箱に何が入っているかラベル(和紙ね)を貼って保管していたという・・・。出来る人間は整理整頓も出来るんだな

 まあ、なんだかんだ言いつつも意外な発見があったりして、全くつまらないだけではなかったです。

 笑ったのは、妹が

「字が上手いと始末書まで残されて『あいつはいい加減な性格だ』なんて言われちゃうんだね」

と言ったこと。

 藤原佐里という人は書に長けていたので、行事の時に使う弓矢の矢を調達できなくて天皇(だっけ?)に謝りの書をしたためたものが残されちゃってるんですね~。それで、解説で「いい加減な性格」(だったかな?)と言われていたなんて言われちゃってたんです。

 たしかに、普通の人なら捨てられちゃって終わりですよね、そんな文w

 達筆なのも考え物かも知れません(笑)

 

 今度はもうちょっと絵画や調度品を多くして欲しいな、と思います。

 てか・・・もう次はないのかも知れないが・・・。

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