謎のブログ

謎の生物(゚Д゚)@謎が書く謎のブログ。気の向くまま風の向くまま。

初見の感想(グレート・ギャツビー)

 作品全体としての感想と、アヒちゃん以外の生徒さんの感想をちょっとだけ。

 いや、アヒちゃんばかり追いすぎて他の生徒さんを細かくは見られてないんですよ。とほほ。

 さすがに舞台化するにあたって表現不可能な部分は別の展開になってますし、ギャツビーは原作だと割と情けないというか永遠の少年の愚かしさが目立つ感じがしたのですが、その辺も宝塚らしくかなり「カッコイイ男」になってますね。デイジーの子供が喋られる年齢の子供から赤子に変更になっていたりとか。

 それでも全体としてはほぼ、原作から外れた印象がないのは素晴らしい。下手すると原作とはまるで別物になってしまう場合もありますからね。

 本当によく、あの原作を見事に舞台化したものだと思いました。

 ただ、ちょっと納得いかないのは・・・

ってことで、以下ネタバレあり↓

 

 

 

  

 

 

 

 やっぱりラストのデイジーが薔薇を持ってギャツビーの墓に来るシーンがちょっとどうかな~、と思いましたね。

 初演でもその部分が論争になったらしいけど、これは論争になりますね。

 いや、デイジーひとりで墓場に来るならまだ納得も行くんですが、夫の運転する車で来るのはどうなんだろう。過去と決別する、夫の元へ帰る、という意味を含んでいるのかも知れないけれど、それでもやっぱり興醒めというか・・・。

 デイジーは性格的に墓に来るだろうか?と言う点で論争になったと掲示板で見かけたんですが、それは原作のデイジーは確かに来ない感じがしますが、宝塚版のデイジーは墓に来て白薔薇一輪投げて帰るのが似合っているからいいんじゃないかと。

 舞台化は難しいから仕方がないよな、と思ったのはギャツビーが殺されるシーン。

 原作だとプールサイドで射殺されて、その血がプールの水に散って浮きマットが赤い円を描く様が非常に寂しく美しく描かれて居るのですが、舞台ではさすがにそれをそのまま表現するのが無理なので海岸で撃たれたに変わってましたね。

 あと、個人的に残念だったのは「オールドスポート」が使われていなかったこと。ギャツビーの見栄っ張りというか胡散臭さというか、彼を表現するためには必要なワードだと思うんですが、やはりそこは宝塚の主演男役が「胡散臭い」と不味いのかなんなのか、使われませんでしたねぇ。ちょっとガッカリ。

 とはいえ、本当によく原作をここまで表現したな、と感心しました。

 原作から外れているところがあっても、ちゃんと「グレート・ギャツビー」の世界観が表現できていると思います。

 原作を気にせず、ひとつの舞台作品としてみたら素晴らしい舞台であることに間違いはありません。

 

 この公演は、デイジー役の城咲あいの熱演が素晴らしいです。何度彼女に涙したことか。我が儘で自分勝手だけれども、真実ギャツビーを愛していたと言う気持ちが痛いほど伝わってきます。

 親にギャツビーとの仲を裂かれて「なってやるわ!何も知らない女の子に」と歌うシーンはあまりに可哀想で号泣ものでした。

 

 主役、ギャツビー役の瀬奈じゅんも勿論好演。

 原作よりは、よりロマンチストで純粋な男として描かれていて、まさしく「男」です。背中に哀愁が漂っていました。

 とにかく、ひたすら「かっこいいいいいいいいいぃぃぃ!!!」です。はい。

 キザリ倒しています。これでもかと言うぐらい。それが「ギャツビー」だから、過剰にキザってるように見えないのも良いですね。

 

 ニック役遼河はるひの感想は「0の視点」を参照して下さい。

 

 トム役青樹泉は頑張っていました。欲を言えば、まだまだ傲慢で屈強な男の強さを表現する余地が残っているように思うので、更に頑張れ!!

 学年的にもアサコさん(瀬奈じゅん)に対立するのは大変かも知れないけれど、もりえには是非頑張って欲しいです。好演しているので、ここで止まるのはもったいない!!

 

 ジョーダン役涼城まりな。原作のイメージに近くて、スポーツウーマンらしくサバサバしているのが良いですね。そして身体が小さくてもちゃんと大人のイメージと演技なので気になりませんでしたね。

 ちわわ、輝いて見えました!

 

 マートル役憧花 ゆりの。

 マジシャンの憂鬱でボディーガード役を好演していた私的注目のすずな。

 今回も良い味出してました。下層(といっていいのか?)の人間のともすれば下品になりそうな女を下品になりすぎない程度に演じていて素晴らしい。「気の進まない結婚生活に飽き飽きした女」をよく表現しています。

 

 専科の方々も素敵でした。

 汝鳥怜さんの警視総監とギャツビーの父親役は「同一人物!?」と言うぐらい演じ分けていてさすが!!

 磯野千尋さんは、磯野さんとしてはあまり見かけない様な役所なのですが、見事にウイルソンを演じてらっしゃって、「こういう役もはまるのか~」とキャパの広さを感じました。

 梨花ますみさんのセイヤー夫人にはビックリ!!さっきまで厳しい母親をやっていたかと思ったら、今度はプロゴルファーでジョーダンと対決しているじゃありませんか!!

 軽やかな身のこなしにビックリしました。いや、おしなべて専科さんが軽やかなダンスシーンにいらっしゃるイメージがないので(偏見か?)。

 

 あと、色々下級生で「お!」と言う子もいましたね。残念ながら下級生余り知らないので誰がどうと言うのはわからないままですが、そう言う子がいることは頼もしいことです。

 今回、目がいっぱい欲しいです。オペラあげるのが勿体ない感じで、困っちゃいます(笑)

 でも、そう言うのって嬉しいなぁ。つまらないと贔屓をオペラで追ってないと苦痛ですからね。

 次の観劇日が楽しみです。

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