男役にくらべていまいち注目度の低い娘役・女役。
しかし、彼女たちの存在無くして宝塚は成り立ちません。当たり前ですけど、世の中は男性と女性で成り立っているのですから、お話だって両方揃っていなきゃ成り立たない。ましてや男女の恋をテーマにすることが多いのだから、娘役がいなくちゃ話は始まりません。
娘役と女役の呼び方の差ですが、これは明確な線引きは聞いたことがありません。男役の生徒が女性を演じるときはなぜか「娘役」ではなく「女役」なんですよね。
たぶん、まあ、世間一般として「娘さん」と呼ばれる年齢の役か、「女性・ご婦人」と呼ばれる年齢の役かの問題だと思います。なので、入団したばかりはみんな「娘役」です(笑)
さて、その娘役。
女性が女性を演じるのだから男役より楽だろう、なんて思うのは大間違い。
男役が男らしく見えるように、娘役はより女性らしく美しく綺麗でいることに腐心するのです。
それは、仕草やポーズの一つ一つはもちろんのこと、髪型ひとつとっても自分で鬘を手入れし、きらびやかな髪飾りをお手製で作るのです。もちろん、髪飾りをお衣装部さんから出して貰うこともあるそうですが、それにも手を加えますし、出してもらえない事の方が多いのです。
宝塚を観劇することがあれば一度、ぜひ娘役さんの髪飾りや髪型にも目をやってみて下さい。これを手作りで?と思うときっとビックリしますよ。
ちなみに、宝塚のアクセサリー類は男役も娘役もほとんどが自前です。お金持ちじゃなきゃ宝塚にいられない・・・なんて言われる由縁の一端ですね。
あと、娘役さんで素晴らしいと嘆息するのはスカートの裾捌き。ドレスの裾を見事に美しく捌く娘役さんをみるとため息がでます。本当にその瞬間の美しさときたら眼福ものです。
昔は娘役というと「男役に寄り添う」形でしたが、時代の流れからか主体性をもった男性と対等な役も多くなってきました。強くて美しい娘役も当たり前になりつつあります。
しかし、どんな時代になっても美しい所作が求められることに変わりはありません。その時代の美しい女性像が娘役にはあります。
ぜひ、男役だけではなく、宝塚の花である娘役・女役にも目を向けていただければ、と思います。
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2008/5/3記載