謎のブログ

謎の生物(゚Д゚)@謎が書く謎のブログ。気の向くまま風の向くまま。

白と理想と

 「グレート・ギャツビー」を見ていて、ひとつ気づいたことがある。

 デイジーはギャツビーの前にいるときだけ、白に近い衣装を着ている。

 初めにニックと会うときは、水色の衣装で白とは言いにくい。

 思い出の中のデイジーは、もちろん白いドレス。

 ニックが二人を引き合わせるときは、白い(アイボリー?)衣装を着ている。

 パーティでもシルバーで白に近いドレスだ。ゴルフコンペでも薄いローズピンクの衣装でライトの加減で白く見える。

(ここからネタバレを含みます↓)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、ギャツビーの墓前に現れたデイジーは、真っ黒ではないが黒に近い衣装を着ている。そう、真っ黒ではないのだ。喪服としての意味合いだけではないだろう。

 そう考えると、ギャツビーの前では白に近い色ばかりなのは偶然ではないように思う。何かの意味があると思われる。

 それは、ギャツビーの前にいるときだけ「理想の恋人」だと言うことなのかも知れない。私はそう思った。

 デイジーはギャツビーをずっと待つことなく、「何も知らない方が良い、馬鹿な方が良い」と周囲に流されることを選んでしまった。仕方がないとは言え、いわゆる「理想」的な女性かというと、やはりそうは言い難いだろう。

 ギャツビーは劇中では色んな色の衣装をきてはいるが、ポスターの白いスーツが印象的だ。そして、白薔薇を手にしたギャツビー、ラストの白いスーツの後ろ姿が鮮明に記憶に残る。

 「白のイメージ」は、ニックのギャツビーへの入れ込みようを見ていると、彼は常に「男性から見た理想の男」なのだと思った。

 そう、女性からみれば、けして「理想の男」ではない。そんな、何年も昔の恋人を思って近くに家まで建てちゃうなんて、よく考えたら気持ち悪いじゃん(言ってはならんことを!!)。その辺りの感覚の差がニックとジョーダンの別れの原因のひとつでもあると思う。ジョーダンからすればギャツビーには入れ込んで助けたり、葬儀の準備をしてあげるほどの価値はなかったわけだ。

 墓前に現れたデイジーこそが、本来のデイジーの姿なのだと思う。

 黒を基調に暗い青のマーブル模様のコート(だったと思う)。

 氷のように凍り付いた表情。

 無感動に投げられる白薔薇

 これまでの、そしてこれからのデイジーの有りようそのもの。二度とギャツビーの前で「理想の恋人」になることのないデイジー。その思いを胸に秘めたまま、今まで通りの生活をするであろう、偽りのデイジー。

 白薔薇はもうない。

 

 やはり、小池先生は演出が上手いなぁ・・・。

 私の思ったとおりの狙いでそうしてるんだとしたらね。(イケコに「は?なにそれ」、とか言われそうw)

 たぶん、ギャツビーの前ではデイジーは色のキツイ衣装は着ていないはずなんだよね。下手したらずっと白っぽいんじゃないかと思ったぐらいだもん(気をつけてみてみて、初めが水色なのに後で気づいた)。

 以上、(゚Д゚)@謎の戯言でした。

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2008/09/19 一部訂正加筆

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