友人のおかげで「MITUKO」を観劇できました。
観に行って良かったですね。完成度は高いです。
ただ、光子の生涯って何だったのさ、幸せだったの?と疑問の残るストーリーなので、物語としてはどうかな?と思う向きもありますが、実際にはこれが現実なんだとも思います。そんな話です。
テクニカルでは端まで素晴らしい役者を揃えています。百合子役の大月さゆちゃんなんか、堂々とした役者っぷりでいつでもどこでも使える実力派の片鱗が伺えました。宝塚の実力派と言えばハマコさんこと未来優希さん。
はじめ、どこにいるのかわからんかったのです。んで友達に聞いたら「とうこさんのお母さん」
Σ(・□・;)
え、もっと若い役だとばっかり思ってたよ!先入観から見落とした。お母さん役だけはないと思ってたから。通りでお母さんの役者さんがすごいわけだ。
で、二幕目の「森田」役も宝塚の片鱗を見せず、どっかの○○座みたいな劇団上がりかと思わせるしっかりとした演技。
すごいですわ。マジすごい。こりゃあ、仕事が引く手あまただよ。こういう役者は貴重だ。
AKANE LIVさんはもう、堂々たるものですわね。パンフレットの写真じゃ若く見えるけど、舞台ではしっかり「年上女房」がハマっていました。
安蘭けいさんは書くまでもないでしょう。さすがグラパンの中の人。芸が細かいです。
宝塚関係以外だと、ジュリアンが結構歌声が綺麗でよかったですね。顔も私の好みだし〜(マテ)
マテと言えば、マテさん。(おい)
友人曰く、「日本語だからフルパワーじゃない」の評価通り、何となく全開じゃない感じでした。伯爵、ボヘミア人だからさ、独白部分の歌はお国言葉で良かっただろうよ。
そして、正しい「外国人が発音する日本語」をひとりしゃべるので、ほかの日本人が外国人の役をやっている「ナチュラルな日本語」がもの凄い違和感でした。いっそもう、ヨーロッパのシーンは全員ドイツ語でいいんじゃねぇのか。アメリカは英語でさ。オペラ系の人間引き抜けばドイツ語はできるだろう。あんだけ綺麗な液晶画面(だよね?でも液晶にしては大きすぎる気もするんだ)使ってんだから訳を後ろに流せるだろうさ。
と、いうことも友人が観劇前に言っておったので(彼女は「全部英語」主張だったが)、観劇後に素晴らしく納得。マテさんは素晴らしいが、日本人を伯爵に当てた方が無難だったきもする。
でも、マテさんは、なかなか素敵な歌声だったので是非得意言語の歌を聴きたいです。
そして、なんと言っても子役!激しく可愛かった!そして芸達者だ。もう、子供の可愛さは悪魔的だね!
さて、この作品。実力派ぞろいの俳優陣としっかりした演出で、作品としては素晴らしい物ではあるが・・・いかんせん、果たして「大衆演劇」「娯楽」としての演劇のあり方として受け入れられるかというと・・・どうかな。
きっと光子の人生を忠実になぞってはいるんでしょうが、ちょっと後味が悪いので小説でいったら「文学」に属する感じになる気がしますね。自分がされてきたことを今度は自分でしてしまう皮肉とかあるし。
高尚で教養深い作品になっちゃうかなぁ。
私は好きですけどね、そういうのも。ただ、気分転換には見ることができないなぁ。
ちょっと、いろいろ普通の日本の舞台とは違う点もあるので、一見の価値がありです。