何とか見て参りました。待望の「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」。
一言で感想を言うならば、
素晴らしい!
これ以外に思い付きません。英語だと
excellent!
great!
perfect!
てな感じでしょうか。
何から何まで劇団の本気がみなぎる、最高級の舞台です。見に行って本当に良かった。
まず、なんといっても衣装!
遠目でもセンスの良さが光る上品かつ重厚感溢れる美しい軍服に圧倒されます。
これぞまさしく帝国軍人である誇りを着る人に抱かせる軍服の中の軍服。
一目見ただけで「帝国」であることを表す素晴らしい出来。
ぜひ!シャンテで展示を!!
あまりの美しさにパンフレットを眺めてはため息。
同盟の軍服はもう少し簡素でよいのではないかと思いましたが、帝国との釣り合いを考えると致し方ないか?
そして音楽。
音楽のことはよく分からない私でも、銀河英雄伝説にぴったりな広がりのある曲だと感じる。とても好みな曲が多かったです。
指揮は塩田明弘先生。音に緊張感があった。
さらに帝国軍人の所作。
これぞまさしく、軍人!と言える機敏な動きにキレのある敬礼は見ていて素晴らしかった。それがないゆえに、自衛隊・警察・消防オタクに足先突っ込んでる私には軍人に見えない、警察官に見えない、という舞台や映像が非常に多い。
今回、本当に切れのある動きで感激した。これはかなり俺的ポイントが高かった。本当の軍人に見えた。
いや、こりゃあ男性の評価も高いですよ。かっこいいもん。
さらにさらに、小池マジックを支える映像美。
まず、始まる前に舞台に銀河が広がっているのがいい。それだけでワクワクする。
私はアニメを見ていないのでわからないのですが、戦闘シーンなどの映像はアニメが元なんでしょうか?だとしても古いアニメなのでリメイクが必要でしょうし、映し方などが非常に効果的でした。
そして最大の功労は、小池修一郎の脚本・演出。
パンフレットにも書かれてありましたが、ヒルダの在り方が原作と大きく違います。
しかし、違うのに原作をしっかり押さえた人物づくりがなされているので、「これはこれでありかな」と思わせる。
このエピソードを一つとっても、小池先生が「銀河英雄伝説」という小説をいかに読み込み、研究したかと言う事がわかります。
なによりも、ややっこしい政治的背景やエピソードなどを簡潔に説明し、説明ばかりでだれるということなく、銀河英雄伝説という話をまったく知らない人でも理解できるように話を作り上げた。
これができるのは、やはり相当の読解力と理解力、洞察力があるということ。複雑なことを簡潔に説明できるのは非常に頭のよい証拠と言えるでしょう。この点においても、小池先生は脚本・演出の天才と言わざるをえません。
さらに付け加えるならば、女性キャラの数があまりなく目立たない、娘役には非常に厳しい原作を娘役も(役が少ないとはいえ)見せ場を作って「男ばかりの銀河英雄伝説」という印象を覆した。
旧態然とした貴族の女性に対し、儚げながらも実はしっかりとしたアンネローゼや明晰な頭脳を見せてラインハルトの心を引くヒロイン・ヒルダ、ジェシカ、フレデリカ、ドミニクといった現代的な女性を配して女性の活躍も忘れない。
結果的に男役祭りな舞台になるかと思いきや、娘役の魅力も十分に堪能できる舞台になっていた。
脚本・演出ともに最高の出来と言える。
とにかく、小池修一郎の才能に唸るばかり。
いや、本当に素晴らしい。
そんなわけで、珍しく感想は続く。