すげぇモン観ちゃったよ!!
演劇集団キャラメルボックスを初めて観たときにも、そう思った。けど、今回は更にその上を突き抜けてしまった。
主な客演を並べただけでも凄い。
北大路欣也・松雪泰子・江口洋介・森山未來・濱田マリ・川平慈英
そこへ、約四年ぶりの劇団☆新感線での主演、今や有名な俳優の一人となった、古田新太。
+劇団☆新感線の主要役者ら全員に見せ場がある。
もちろん、これだけの人数に見せ場を作ると一人一人の見せ場は時間にしたら少なくなるかも知れないけれど、十分な見応えのある物になっている。
なんつー劇団なんだ・・・。とんでもねぇ。
しかも、「石川五右衛門が釜茹での刑を免れて、何の因果か秘宝を盗み出すべく南の島へ」などという荒唐無稽もいいところの設定になんだかよく分からんけど説得力がある、そのパワー。圧倒的なパワーの最高潮で起きるカタルシスが堪らない。
そして時代劇に南国、そこに合わせる音楽はRとつくからにはロック!!
時代劇、和物も洋楽で踊る宝塚もビックリの組み合わせ。江口洋介に至っては武士の格好のままギター持って歌っちゃうモンね。
ほんと、無茶苦茶なのに面白い。いや、無茶苦茶だから面白いのか!?
客演の役者さんなのに、その持ち味を十分に生かした本と演出にも驚く。
北大路欣也さんには、力強い王。しかも、強さの裏に隠された優しさと罪を一人で背負う深い悲しみを背負う大きな器の人間。
松雪泰子さんには、「ルパン三世」の峰不二子的な性根は悪いがお色気たっぷりのいい女。歌って踊れるいい女。
森山未來くんには、父王を憎む復讐にはやる王子。殺陣も森山君は華麗に舞うような身軽さを十分に生かした殺陣。
川平慈英さんには、胡散臭いピエロのような南蛮武器商人。胡散臭さが最高。
濱田マリさんには、無邪気そうにしていながらしたたかで、旦那に「あなたは器がちっさいの」をハッキリキッパリ言い切るけどダーリンを愛している、どこか憎めない将軍の奥さん。
江口洋介さんには、これまた「ルパン三世」の銭形のとっつあんのような実直でお役目一筋に石川五右衛門を執拗に追いかけ回す武士。
これだけでも、よくそんなにキャラクターが思いついたな、と感心するが、さらに主演:古田新太を筆頭に主要劇団員4名にもちゃんとキャラが立った役がつく(面倒なのでこちらは略。すみませーん)。
ちなみに、ロックは生伴奏。そして南国で戦うときにはシャウトしまくりのロッカーが刀の代わりに半丈スタンドマイクを持ってシャウトシャウトシャウト!!!
これが殺陣に合うんだ、また。はまりました、完全に。
こーれは何回でも観たい!!と思ったら翌日が千秋楽でしたとさ。
うん、どんなに言葉を紡いでも、この舞台の凄さって伝えられないなぁ。
だからもう、とりあえずここで切っちゃうかな。
そうそう、前の記事にも書いたけど、今年いっぱいで見られなくなる三重盆セリも見られて感激でした。しかも、一番いいシーンで一番いい使い方で。もう、新宿コマ劇場に思い残すことはございません。残って欲しかったけどね。
劇団☆新感線、また機会があれば見たいと思います。