田舎に帰って親戚周りをしたとき、警察マニアw(どれぐらいマニアかというと、警察ボランティアをやるぐらいマニアww)のお兄ちゃんから貰った警察小説です。
元々、朝日テレビが制作したドラマ「警官の血」の出来がイマイチで、妹と原作が悪いのか脚本が悪いのかと議論したんですね。そこで、「原作読まないと話にならんやろう」と言うところから、「佐々木譲」と言う作家に興味を持ちました。
でも、「警察の血」はまだ文庫本になってなかったので、読むの諦めたんですよね。
そんなときに譲って貰ったのがこの本でした。
笑う警官 |
結論から言えば、推理部分は大して面白くないんですが、最後の敵味方のばかしあい合戦が非常にテンポ良くグイグイと読者を引きつけて面白いです。
ただ、この作家さん、キャラ立ちしないのが難点かなぁ。出てくる人物一人一人に印象的な描写を意図的に書いてはいるんですけど、今ひとつ自分の中でキャラが一人一人出来上がりませんでした。それがちょっと残念。
キャラが立ってたのは主人公佐伯、部下で若手の新宮、女性警察官の小島かなぁ。津久井は名前だけは頻繁に出てくるけど人物そのものの印象があまりないんですよね。本人がそんなにしゃべらないからなぁ。
あと、これは原題が「うたう警官」だったそうですが、文庫本化にあたって改題したそうです。しかし、私としては「うたう警官」の方がしっくり来て良いと思うし、自分が作家だったら「笑う警官」とする時は大きく改稿しますね。題だけが浮いちゃってる気がするから。
「最後に笑うのはどっちか!?」
みたいなフレーズを印象的に入れて、題名が浮かないようにするとかね。
警察マニア的視点で見れば、警察内部の書き方は「かなり取材をしたが、ワザと外している」印象を受けました。そのせいか、ちょっとリアリティに欠けた結果になっています。
後一冊、この作家さんの本を貰ったのでそちらも読んでみたいと思います。