色々自分の気力がなさ過ぎて、観る気が無かったスカーレットピンパーネルを友人からチケットを譲って貰えたので行ってきました。
とうこさん(安蘭けい)の大ファンである友人の感想を総合すると、「初演に思い入れがありすぎて、見るに耐えない。まだ、見るのには早すぎた」とのこと。途中で帰ろうとさえ思ったとの言動に、正直相当覚悟を決めて劇場に行きました。
んでまあ、結論から言えば、そこまで悪くはないです。やはり初演に思い入れがあるって言う方は見る目がかなり厳しくなるんでしょうね。
が、しかし。私も初演で観劇した者の端くれ。相当に不満だったのが、みりお(明日海りお)のショーブラン。
歌も台詞も立ち振る舞いも完璧。多分台本通り。
だけど、決定的に存在感がなさ過ぎる。威圧感がない。
スカーレットピンパーネルは「パーシー」「マルグリッド」「ショーブラン」がトライアングルになるパワーバランスが醸し出す緊迫感が身上ではないかと思うのだが、芸達者・霧矢大夢になんとかまりもちゃん(蒼乃夕妃)がついてきて、直線にはなっているんだけどもショーブランが弱すぎて三角形になり損なっているのが明らか。
正直、これはスカピンとしていいのか?と疑問に思った。
友人はまさお(龍真咲)でも同じ感想を抱いたとのこと。
ぶっちゃけ、まさおショーブラン・みりおアルマンで固定して置いた方が本人達にも良かったんじゃないかと思うのだが・・・。少なくともショーブランは全身全霊一点集中してやらないと、パーシーがあの霧矢大夢なんだから対抗出来ないだろう。
技術的には破綻がなかったので、そう思うと非常に惜しい。みりおだって大劇から1役ずっとやって積み重ねていれば、存在感とかは何とかなったかもしれないのに。
ショーブランが出てくるときの「キタキタキターーーー!!!」という、ゾクゾク感が無いんですよね。B席まで空気が変わるのを感じさせるぐらいでないとダメだぞ!!
そんなわけで、ショーブラン好きの私は1幕で帰りたくなりました。
でーもー、帰らなかったのは他に素敵なところが色々あったから。
きりやん(霧矢大夢)のグラパンの動きに感動!!!
まりもちゃんの強くて凛としたマルグリットに拍手!!!
サン・シール侯爵の研さんの歌ウマー!!
もりえ(青樹泉)・マギー(星条海斗)が良い味出してます!!
無駄にカッコイイ、組長のロベスピエールがまたいいんだ・・・。
そして!!
プリンス・オブ・ウエールズ、桐生園加が最高!!!
もう、もう、超可愛いったらありゃしない!!お茶目なプリンスを園加らしくのびのびと演じておりました。地?
もう、園加の王子様が見られただけでも儲けものです。ああ、チケット譲ってくれた友人に感謝!!!(号泣)
ポッコリお腹の足の上がらないプリンスなのに、フィナーレでは超絶カッコイイダンスを披露してくれるあたりがもう、憎いったらありゃしない。
いや-、月組脇を固める役者が贅沢すぎるよ。(てか・・・もりえは脇になってしまったのか・・・?)
それなのに、2番手3番手が不在に見えるのはバランス悪すぎるぞ。まさお・みりおでいいから(余所から持ってこられても嫌だ)、本人達も落ち着いて足場固められるような体制取って上げて欲しい。ワケの分からん役替わりなんかやらせてないで。そうしたら、今よりもっと成長して良くなるんじゃないのかなぁ。
まあ、愚痴もでましたが舞台自体は見るところいっぱいで、初演を見ていない方だと全然問題なく見られるかな?と。何しろきりやんが凄いからなぁ・・・。ダントツ過ぎてびっくりだ。
きりやんパーシーは、結構真面目な感じでしたね。うつけを演じててもどこかに知性を感じる。食えないヤツ、と言う風に見えました。そして、やっぱりグラパンの動きが凄すぎるよ。本当のおじいさんみたいに自然に動いてましたもん。ありゃー、相当研究して練習しないと出来ないし、才能ないと限界があると思う。
歌えて芝居できて踊れて、どんだけ凄いんですか、霧矢大夢。
改めて感心しました。
そんなきりやんに確りついて行ってるまりもちゃんが愛おしくなります。よく頑張ってるよー、ホントに。あの実力派のきりやんについて行ける娘さんはいるのかと心配していましたが、大丈夫そうですね。
そんなわけで、まあ、最初は「・・・帰るぞ」と思った舞台でしたが、最後まで見ればとても楽しい舞台でした。
とりあえず、二人のショーブランは最後まで頑張れ。気合いがB席まで届くようになるといいね。(やっぱトップスターは空気や気迫が立ち見まで届くんだよな)
むー、まさおブランも見たかったなぁ・・・。