謎のブログ

謎の生物(゚Д゚)@謎が書く謎のブログ。気の向くまま風の向くまま。

DAMN YANKEES~くたばれ!ヤンキース~(青山劇場・6月3日17時30分公演)

 調子が悪かったのかなんなのか、開演時間を18時と勘違いしていたため開始30分ぐらいを見ていません。失敗。

 ワタさん(湖月わたる)の宝塚退団後、初めての舞台。

 野球大好き、ワシントンセネタ-ズの熱狂的大ファンのジョー・ボイド(青山明)に、ある日悪魔のアップルゲート(川崎麻世)がやってきて、「若返ってセネターズの選手になって、宿敵ニューヨークヤンキースを打ち負かしてみないか?」と誘惑する。もちろん、悪魔だからただじゃあない。ジョーの魂を狙っているわけだ。

 元々愛妻家なので、置き去りにした妻(杜けやき)の元に帰ろうとする気持ちを起こした変身後のジョー大澄賢也)を快く思わないアップルゲートは、男を不幸に導く魔女ローラ(湖月わたる)を送り込むが・・・。

 まあ、一昔前で言えば、熱狂的阪神ファンで愛妻家の大阪のオッサンに悪魔が「若返って強打者になって、打倒!巨人をめざさんか?」と誘惑するようなもんか?今は巨人自体がもう、そんなに強くないから打倒するのは大したこと無いかもしれないけどw

 んで、キャストが豪華。今あらすじに書いた以外に女性新聞記者のグロリア・ソープ役にミュージカル初挑戦の元モー娘。矢口真里

 ワタさんに麻世さんに賢也くん、杜けやきさんに矢口真里って・・・。

 一応、主役はワタさんになってるけど、他の4人も十分主役クラス。実際、あんまりワタさんは

「主役です!」

って感じではなかった。話の構成自体が主役を中心に据えるタイプではなく、ストーリーを重視するタイプだからかもしれない。でも、これ、本来はジョー・ハーディが主役じゃないんだろうか?ブロードウェイのや映画見てないから知らないけど。

 んで、ワタさんがちゃんと女の子になっててオドロキ!!(失礼な)

 いや、だって、現役時代は男というより漢!って言う字面が似合う野郎系男役だったのに!!

 それが、キュートな魔女になっちゃって!!!

 でも、色気が足りない分、「あんあん」言ってもストリップ紛いの踊りでショートパンツを脱いでもイヤらしくありません。下品じゃありません。

 それを欠点とか、物足りないとか取る向きもあるだろうが、日本で上演するに当たってはそれで良いと思う。お子様も見られるし、なにより日本人は「セクシー」より「可愛い」に重きを置く人種だから。セクシー魔女ローラではなく、セクシーに迫るのにキュートな小悪魔ローラの方が受けは良いだろう。

 セクシーだと低音が似合うんだけど、キュートだと高音が似合う。しかし、低音で歌いながらキュートってのは難しいよな~。その辺のバランスもいい。

 しかも、これがそれこそ本当に若くて可愛いアイドルを持って来ちゃうと、ジョーが単なるロリコンになってしまうからな。妻帯者がグラッと来つつも奥さんを選ぶことに説得力が無くなる。奥さんよりちょっと若めぐらいがベストという意味では、ワタさんの起用は正解だったんじゃないかな。

 さて、ルミ子ちゃんと離婚して、何やってんかな~と思っていた賢也くん。こんなことしていたのねw

 でも、ダムヤン見て、離婚した理由がちょっと分かったような気もした。この人、ダンスは当然できるけど、歌も結構上手いし芝居もできる。ミュージカル役者として飛び抜けてどうこうとは思わないけど、少なくともルミ子ちゃんのダンスパートナーだけではもったいない人材。それだけの才能があれば、ダンスパートナーだけで終わりたくないでしょう、男なら特に。「あなた、ちょっと一人でやってみなさい」とバーン!と背中押してやれば離婚しなかったかもね。

 賢也くん、体格もバッチリでかっこよかった!!!

 いやあ、うっかり惚れかけちまったよw

 出ているとは知らなかったし、パンフを見て初めて劇団四季出身だったと知った川崎麻世

 演技はさすがです。コミカルから凄味のある場面まで、素晴らしい演技。見事な狂言回し役で話を引っ張る。川崎麻世なくして今回のダムヤンはありえなかった、と思わせるぐらい。

 ただ、古典的なブロードウェイミュージカルっぽい発声がはっきりした歌い方が出来る曲のはずなんだけど、歌の歌詞が唯一聴き取りにくい。劇四季ってそう言う歌唱法なのか?加賀丈史も歌詞が聴き取りづらかったし。でも、山祐さんは違ったよなぁ・・・。今の在団中の人たちも違ったように思う(キャッツ・エビータ・オペラ座の怪人しか見てないけど)。謎だ。

 いや、しかし、川崎麻世って言えば恐妻家というイメージしかなかったよ(ノ∀`)スマン

 素敵な役者さんだったのね。

 素敵な奥さんを演じられた杜けやきさん。

 いやあ、既にもう、「元宝塚男役トップスター」という肩書きをわざわざ付けないと分からないぐらいナチュラルに女優さんでした。歌声も深みがあってきれい。

 メグ(奥さんの名前)とジョー・ボイド、ジョー・ハーディが3人で歌うところはめちゃくちゃ素晴らしい仕上り。久々に美しいハーモニーを聴いた~。

 特に男役をやっていなくても、普通?に女優をやっていても、「普通の主婦で素朴なんだけど、品があって素敵な奥さん」ってのは役所的に難しいと思うぞ。なにより、普通ってたぶん難しいと思う。素で普通だと芝居として成り立たないし、かといって張り切っちゃうと普通には見えないしね。

 杜さん、凄い女優さんだなぁ。

 さてさて、今回、超お気に入りの、やぐっちゃん(矢口真里)♪

 ワタさんや杜さんは別としても、他の女優さんよりも更に小さい体格で舞台を右へ左へ元気元気!

 身体が小さくても、目立つ。

 舞台映えって、身体の大きい小さいの問題じゃないんだね。

 初舞台ってことで、お歌の声が若干小さかったけど、台詞ははっきりくっきりで聞きやすかった。新聞記者らしい、負けん気の強いところも良く出ていて役に合ってたし。ほんと、よく頑張ったな~っておもう。

 小さいやぐっちゃんと、おっきいワタさんの並びは面白かった。そして、ワタさんに迫力負けしてないのが凄いよ。モー娘。は伊達じゃないな。

 作品的には、ちょっと古いせいか1場面1場面のナンバーが若干長くてかったるい感じも。ブロードウェイのミュージカルってパワーで押し切る感じがあるから、あの長さを持たせようと思ったら、日本人キャストでは厳しいかもしれない。

 あと、ワタさんの男役芸は出さなくてもいいのに、と思った。

 アレが無くても十分いけると思うんだけど。返って作品を壊しかねないよ。ちょっと長かったし。

 アンサンブルも含めて良いキャストを集めてるんだから、そういう変な演出は不必要だと思うね。

 MAもそうだけど、どんなに良いキャストを集めても、脚本や演出段階でこけるとロングランは難しくなる。

 それから、ダンサブルなミュージカルらしいんだが・・・あまりダンスシーンにインパクトが無かったぞ。やぐっちゃんの元気なダンス&ミュージックナンバーは印象に残ったけど。まあ、これは私の感性の問題なんで、ダンス好きにはいいダンスシーンが多かったかもしれないけど。

 歌は、久しぶりにスタンダードっていうか、歌い上げる感じの素直なミュージカルナンバーを聴いたな~ってかんじ。そう言うタイプの歌が元々好みなので、歌は楽しんで聴きました。キャストも歌の上手な人が多い気がした。なんと言っても、ジョー・ボイドの青山さんの歌声は素晴らしかった!

 まあ、古き良きアメリカな感じで、明るくて楽しめる舞台には間違いないです。

 開始30分見逃したから、もう一回見たかったけど公演終わっちゃったのよね~。でも、ちょっとロングランには厳しい感じだから、もう一回やってくれ!とは言えない・・・。

(演出とか振り付けとかやり直したらいけるかもしれないかなぁ~)

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