待ちに待った「CHICAGO」。
和央ようかが出演し、初めて女性として立つミュージカルの舞台。
ファンとしては細かいところは目をつぶり、大絶賛するのが正しいあり方なのかもしれない。
だが、だ。
私のモットーは「例え贔屓でも悪いところは悪いという」と言うことだ。
まあ、ぼろくそにけなす程酷くはないです、さすがに(けなすしかできないんだったら、書かないかも)。でも、大絶賛ではありません。
その辺のところを了承の上、お読みいただければと思います。
ちなみに、観劇した席は2階てっぺんレフト側スタンド(野球かよ)
「赤坂ACTシアター」の記事でも書きましたが、急勾配のせいか、迫力が伝わりにくい席だったと言うことも考慮いただければ、と思います。
迫力という科学的に捉えられない物なので、数式化して証明出来る物ではありませんが、迫力は急角度では伝わらない物ではないかと思います。上方斜め45°ぐらいじゃないですかね?左右は・・・ハッキリ分かりませんけど、ACTくらいだと左右が狭いので左右差はあまりないんじゃないでしょうか?
いや、私の少ない経験則なので正解であるかどうかは分かりませんが。
全体の感想としては、そこそこレベルの高い公演でした。
それだけに、もうちょっと前方で観たかったなぁ、と言う思いが強いです。もし、半額ぐらいの値段設定なら間違いなくリピートしてます。半額じゃなくても、私がお金を休職前の程度稼いでいればリピートしてます。貧乏って嫌ね。
とりあえず、主役3名は置いておき、脇役やアンサンブルについて触れると、
脇役最強!!
アンサンブル最高!!
でした。いいダンサーが揃っています。脇役も味のあるいい俳優が揃ってます。
特に私が素晴らしいと思った脇役はママ・モートン役の田中梨花さんとエイモス役の金沢博さん。
ママ・モートンはヴェルマとの「品がない♪」と歌うところで声が若干でなくなっていた事を除けば、いかにも強欲な看守でありながら情もある人間性という、ともすれば相反しがちな役を見事に融和させて演じていました。
エイモスはロキシーのうだつの上がらない夫役。そんな彼は誰からも相手されない悲哀を歌い上げる「ミスター・セロファン」のナンバーが秀逸。優しいだけではなく、自分を無視してロキシーが浮気することには怒りをぶちまける人間くささが良かったです。
他、大澄賢也さんの演技とダンスも素晴らしいし、H.Masuyamaさんの怪しい存在感と歌もなかなかのものでした。そして、ダンサーがとにかくカッコイイ!!身体の線をハッキリと出す衣裳なので、肉体美とダンスの美しさが合わさって素晴らしいものになっていました。
さてさて、「初ミュージカル出演」のお二人と「女役のミュージカルは初」なお一人でなんだかんだと不安視されていた主役3名。
蓋を開けてみれば、一番素晴らしかったのは河村隆一さんでした。
ダンスはほとんど無かったのですが、歌良し、台詞発声よし、演技良しでビリー・フリンとして違和感全くなし!!お金が全てで押しが強いけど甘いマスクや身のこなしで嫌味を感じさせない弁護士でした。
一番好きなのはロキシーを腹話術人形に見立てて、腹話術の声で「がんがんががががが♪」と歌っているところ。ロキシーも人形的な動きが完璧だし、フリンもコミカルに歌っているのが面白い。これは必見。
んでもって、米倉涼子さんとたかちゃんは仲良く同率2位かな(野球かい!)。
二人共ね、歌と台詞が一部通ってなかったんですよ、後方のてっぺん席まで。マイクの具合かと思ったんですが、他の方々は初めから最後までハッキリ声が通ってるんですよね。
何より残念だったのは、ヴェルマの一番最初のナンバー。これが声が聞き取りづらいせいか迫力に欠けちゃったのがかなり痛かった。
米倉さんはやはり、初舞台だからかな?と。たかちゃんは低音はハッキリ聞こえるので高音の歌と台詞に慣れてないのかな?と。たかちゃんは元々滑舌がどうしても悪い難点を抱えてますからね・・・。
そのへんがやっぱりガッカリした点でしょうか。
米倉さんは、頑張ってました。もともと(したたかに)頑張るロキシーなので、役に「頑張っている」部分が重なって良い結果になったのではないでしょうか。
そして、やはり「米倉涼子」のスター性が光ってました。ダンスも良かったし。
さてさて我らがたかちゃん。声が聞こえないのは一部だけ。でもその一部が眉をひそめる結果になるほど完璧な脇役・アンサンブル陣に対して絶対に引けを取らない力強さが
「和央ようか健在」
と思わせます。ガッツリ舞台を引っ張っていき、登場すれば場をさらう。さすがです。
力強いけど、可愛くてキュートなヴェルマです。とにかくダンスが力強くていいですね。フォッシースタイルとして合格なのかどうかは分かりませんが。(多分合格)
そして、一番笑いを取っているのもヴェルマじゃないでしょうか?
とにかく力強くて可愛くて面白いんです。でも、ロキシーみたいにお馬鹿には見えない。ロキシーとヴェルマの対比が上手く出ていると思いました。
初の女役(笑)としてはひとまず合格じゃないですか?
同率2位になった点は、これから公演をやるウチに改善されるのではないかと思います。できれば青山がみた・・・・いかんいかん、お家は貧乏貧乏(呪文)
以上、「CHICAGO」の感想でした。
それにしても、賢也君はいい役者だな、いい男だなぁ(最後の感想がそれかい!!)