日本人海外旅行者を悩ませるもの。それは
チップ
日本に全く無い習慣かと言えば、実はそうでもないのだが日常生活ではあまり馴染みがない。
ガイドブックでは、タクシーとホテル、レストランぐらいしか払う場所が書かれていないが、実際には他にも払うところがある。
先の記事にも書いたが、デリでサンドを切ってくれた兄ちゃんにも必要だった。
また、リンカーンセンターでガイドをしてくれた女性にも友人が渡していて驚いた。私には国連のガイドには渡さないでリンカーンセンターのガイドに渡す、その差が解らなかった。
ホテルのブランドショップで買った物をラッピングしてもらい、その間他の買い物をしに行くのに買った物を預けて行った。今から考えると、この時にもチップが要ったのでは?
もっともまあ、店員は日本人なので「しゃーない」と思っていると思うけれど。
さて、日本で心付けという名のチップで代表的なのはタクシーかな。
基本はきっちり払うが、話が楽しかったり思いの外早く着いたり、気分良く乗れた時には多目に払う。額は決まってないので数十円のプラスから数百円まで色々。
スマートなのは、「釣りは要らないよ」と言って、サッと立ち去ること。
他に心付けで思い当たるのは、旅館。ホテルはサービス料が入ってるしサービスが分業化しているので不要だが、旅館は部屋毎に担当の仲居さんが決まっていて食事の上げ下げから布団敷きまでこなす。
で、その仲居さんに少しばかり紙幣を紙に包んで渡す。これは先でも後でも良いようだが、まあ、先に渡す方がサービスが良くなるかも、と言う期待が持てる(笑)
後はまあ、宴会などで給仕の筆頭に心付けを渡す事もあるけど、今ではやったりやらなかったり。
講師や僧侶には「御車代」と言う心付けもありますな。
ただ、基本的に心付けは無くても従業員が生活に困る事はないので、必ずしも必要ではない。完全に自分の気持ち次第だ。
そう、別に日本にチップ文化が無いわけでは無いのだ。
ただ、払う理由と場面が違うのだ。
では、日本人が心付けや御車代を出す場面がどこであるのかと言うことをどこで学ぶかというと、親や周りの大人からではなかろうか。
別に教科書があるわけではない。
そう考えると、海外のチップも外国人は子供の頃から親を見て学んでいるわけだ。ちょっとやそっとで全ての場面で渡す渡さないの判断を出来るようになるのは難しいかも。
なので、たかだか一度や二度の旅行で、カンペキにチップを出すなんて無理な話だ。
んなわけで、ガイドブックから学べる範囲はキチンとチップを出して、そうでない部分は人に聞いたりしてなるべく失礼の無いようにはするべきではあるが、深刻に悩む事はないのかなぁ、と。
ちなみに、日本の観光におけるアピールポイントのひとつは「チップ要らないよ」なんだそうだ。
それが売りになるってことは、欧米人もチップ制度に嫌気がさしているのかもしれない。