初本多劇場!!
日本のオフ・ブロードウェー下北沢を代表する箱ですね。一度いってみたかったんですよ~~~。
電車は血で走る
でございます。
劇団鹿殺しは、私がはるか昔上京したての頃に立川に住んでいたのですが、立川駅前で路上ライブをやっていたのに出くわしたのが初めの出会いです。
圧倒的なパワーとパフォーマンス。そして名前が「鹿殺し」。
さらに、「関西からやってきました!!」と。それもポイントだったとおもいます。やはり出身地と同じ地域から来たものに人は弱い。
ただ、私は舞台を見に行こうと思っても大抵が宝塚かミュージカルですし、ストレートプレイはせいぜい大きな箱でやる商業演劇ぐらい。なので、鹿殺しの名前を見ることもなく時が経ってしまっていたのですが、ある日ぴあの案内メールに載っていたんです「劇団鹿殺し」。チケットを取ってみたら取れたので、行くことにしました。
あらすじは、宝塚歌劇団にあこがれて作ったと言う設定の建築関係従事の野郎どもで作ったロックで歌舞いた歌劇団「宝塚奇人歌劇団」、阪急電鉄宝塚線をモチーフにした鉄道とその駅「庄内駅」(実在する)、鉄道大好きな女の子「鉄彦」と鉄道魔人「7000系」が織りなす不思議でおかしくて切ない物語。
特徴的なのは、楽隊が電車になっていること。金管、太鼓を鳴らし演奏しながら「電車」が走る表現が独特で面白い。
演劇かミュージカルかと言われると演劇なんだけど、音楽がすごく重要な作品。ちょっと劇団☆新感線みたいな。
おかしいのは宝塚奇人歌劇団の下手さ加減がすごい。本当は歌とか上手い人たちだと思うんだけど、もう、ヘタすぎて空き缶投げたくなるぐらい(なげないでください)ヘタ。歌とか下手なのにリズム感がめっちゃいいと言うわけ分からなさw それが、すごいなぁと。
設定とか、演出とか、話の進め方とか、ヘタやなって思う。たぶん、今の劇団鹿殺しならもっと上手いやり方が出来るんじゃないかとも思うんだけど、でも、この作品にはそれを凌駕する熱量と思いがある。人の心を打ち、魅了されずにはおれない何かが舞台にある。
だから、この作品はこれでいいのだと思う。
この形しかないのではないかと思う。
よく、小説を書くのに文章を書く技術は必要なのか、と言う話があるけれど、答えは技術は粗削りでも書きたいもの言いたいこと表現したいことがあることがまず大事、技術は後からでも良い。なんだかそれを思い出す。漫画でも絵が下手でも読まずにはおれない漫画ってあるでしょう?そんな感じ。進撃の巨人みたいな。
鉄彦の足を踏みかえ跳ねながら、かすれ声で「ぽっぽー」と言うのが可愛くて良いですね。他、どのキャラクターも味があって面白くて実にいい。個人的には電車魔人7000系の兄、のぞみ兄さんが大好きです。なんなのあれ(褒め言葉)
けっこうね、最初は「何なのこの芝居」と思わんでもなかったですが、最後まで見ると楽しくて泣きまくってて、ほっこりするんですよね。
いや、ね、ほんと、いい意味で
「なんじゃこりゃ!」
でした。
欠点は音響ですかねぇ。音が大きすぎて聞き取れないところが割とあったので。
続編の「無休電車」も見てみたいなぁ。いけるかなぁ。