念願の「銀ちゃんの恋」を生で見て参りました。
笑って泣いて、パーッと終わって、いい公演でした。
なんというか、男の友情?ちょっと違うなぁ、男同士の信頼関係が根底にあって、そこら辺がキッチリ描かれているし演じられていて、祐飛(大空)さんはもちろんのこと、ヤス役の華形くんの熱演に拍手喝采でした。実際、フィナーレでヤスに会場は拍手喝采でしたね。
また、小夏役野々すみ花ちゃんの大女優から平凡な生活に幸せを見つける女性への変貌ぷりと男どもの勝手に振り回されながらも幸せを見つけようとする健気さが光ってました。
そして、ヤスの母役邦なつきさんには泣かされました。
えー、以下ネタバレ含みます
邦さんの、全て分かった上で嫁に来てくれた小夏に対する言葉の数々がもう、泣けて泣けて。あんだけ言われたら、間違っても銀ちゃんとより戻そうなんて思わないですよ。心情的に。
そして、そのまま小夏は幸せに終わるのかと思いきや、銀ちゃんはよりを戻そうと言い出すし、階段落ちを決めたあたりからヤスが荒れまくる。
銀ちゃんが自分の置かれている立場に気づきだして、信頼関係が崩れた辺りからのヤスの荒れっぷりが圧巻。また、そのときの意気消沈したような銀ちゃんが孤独でもの悲しい。
もっと早くに、小夏を手放す前に銀ちゃんが気づいていれば良かったのに・・・と思わずにいられませんでしたね。
銀ちゃんみたいな、というか破天荒なスターって今はあまり見あたらないから銀ちゃんを理解できる観客って今はあまりいないかもしれませんね。っていうか、私も半分くらいわからんですw
あと、男の信頼関係の特殊性も分かりにくいかもしれない。男は気を遣われたくないんだろうね、たぶん。信頼関係があるから殴れるし、信頼していなきゃ殴れないってことなんだろうな。たぶん。
いや、私も女なんでねぇ。心底はわからんです。想像するだけで。
分かるのは、ああ見えて銀ちゃんは面倒見がいいってことかな。芝居に出てきたトンチンカンな面倒見の他にも、それなりに面倒見てたんでしょ。でなきゃ、ヤスの他に3人も子分が出来ないんじゃないかな。
銀ちゃんは御山のガキ大将というか、ジャイアンというか、そんな感じなのかなぁ。
そう考えると、乙女が見る宝塚としては少々不適切な演目かもしれませんw
でも、全体的にとても笑えて泣けて、すっぱり芝居落ち(勝手に命名。夢落ちみたいなもん)で蹴りつけてあっけらかんと笑って帰れるのでいいとしましょう。
毎度毎度、夢夢しいお芝居ばっかりじゃ飽きちゃうもんね。たまにはこういうミュージカルも面白くていいかと。
舞台としては、花丸五重○レベルですもん。
それにしても、ヤスが主役じゃないのか!?というぐらいの熱演ぶりとストーリー展開に、「どっこい銀の字が主役だぜ!」というには銀四郎役自体がそうとうなスター性を持っていなくては「タイトルと主役が違うじゃん!!」となってしまうわけですが、その辺はさすがユウヒさんでしたね。
どんなに横暴だろうが無茶苦茶だろうが、それでもスターとして説得力のある輝きがあるのが素晴らしかった!!
それにしても、焼き肉屋の場面で銀ちゃんの子分達がマメモヤシを口にくわえたままって・・・・w
スミレコードにひっかからんのか!?(爆笑)
それと、銀ちゃんがファンからのプレゼントは「洋服よりも現金でくれ」と言うときに客席のライトが明るくなったのにも受けましたw
すいません、洋服買う現金がありません!!www
石田先生もいやらしいわぁ(笑)ブラックジョークが利いてまんなぁ。
何はともあれ、これほど端役までくっきりと人物像が描かれているお芝居も久々でした。配役表を見ても、一人一人の舞台姿が目に浮かぶぐらいです。
そう言う意味でも、本当に見に行って良かったと思いました。