まともにチケットがとれず、致し方なしにネットオークションで落としての参戦(戦かよ・・・)。にもかかわらず、前日に会社から直接帰省した疲れで体調がよろしくなく、二回目は所々寝てしまうと言う失態を・・・。
なので、この観劇日記(?)はあんまし当てにしないでね。
《作品について》
太田先生の最後の作品と言うこと。
まあ、うまくまとまってはいるとは思う。作品の雰囲気も19世紀のフランスの感じがちゃんと伝わってくる。なんというか、おフランスぽいアンニュイな感じとか。
主人公が詩人とあって、言葉も綺麗に流れるような台詞が多いのだが、だがしかし。
美しい倦怠感というものは、退屈でもあるらしい。
正直寝てしまった、二回目。疲れていたのもあるだろうけど。
話の流れはわかりやすい方だと思う。
難しそうな長い台詞が並べられていても、とどのつまりは主人公と恋人の破局の物語。恋をして、夢いっぱいに二人で旅行したものの歯車が狂い、その隙間に男が入り込んで破局。間男も去る。
なんだかそう書くと安っぽいメロドラマのようだが、そこはそれ、フランス文学界でセンセーショナルを起こした恋、後の世にまで語り継がれ映画にまでなる恋愛ですよ。そんな安っぽくなるはずもない。ましてや宝塚ですもの。
また、19世紀のおフランスが良く表現されている舞台でもありました。
≪役者≫
やっぱりこの人綺麗です。ぼへ~っと見とれてしまいました(マジ)
歌も普通でした。頑張ってるなぁ~。もっと頑張ればいい声でちゃんと歌えるようになるんじゃないかなぁ、なんて思った。
ラストパーティでも思いましたが、駄目男系が絶妙に上手い人ですね。そういやネオ・ボヤージュのピアノマンもちょっと駄目男系だよね。本当に嵌るし、自然。
サンドが「さようなら、私の愛した白い肩・・・」と言ってしまうのが納得出来る優男っぷりが一目で感じ取れるってのは凄いかもしれない。
凛とした女性の美しさを良く演じていました。ともすれば宝塚の娘役は男役に寄り添うような役が多く、こういう自立した役ってのはなかなか難しいのでは?と思うけど本当に素晴らしかった。さすがは元男役。
それに、次期娘1というのも納得の気品と存在感。
ただ、やっぱりタニ(大和)とは身長が釣り合わないね・・・。
実際にはこの恋の後からの方がこの人はサンドとの絡み(友人として)が多いので、今回はどんなもんかと思いましたが・・・やっぱり扱いがちと微妙でしたね。重要なのかそうでないのか。とりあえずミュッセとサンドを引き合わせたから話には必要かな?程度。
あひちゃん(遼河)好きなだけにちょっとその辺は辛いものが・・・。
とりあえずは、まあ、「こいつはサンドと友人やってても恋人にはならんわ」という変人ぷりをなんとかこなしてましたね。なんとかっていうのは、前述の通り役割が微妙なだけに史実のドラクロワから役の感じを拾うしか無かったんじゃないかって感じなので、難しかったんじゃないかなぁって。
ただ、この人、芝居が大芝居で下手ッぴに見えますね。歌も音程は外さないけど発声が微妙だし。でもまあ、それでも好きなんだけどさ(笑)
○悠未ひろ(ピエトロ・バジェッロ役)
ずっと気になってた立ち姿が綺麗になってました。いや、なんかいつも首が前に出ててゴリラっぽく見えてたのが「もったいないな~」と思っていたもので。
発声もいいし、誠実な青年役を好演していました。
なによりも、悪夢の場面でミュッセと一瞬だけ交わす視線のきつさで、普段は穏やかな青年がサンドに恋しているのが伝わってきた。これは素晴らしい。
いい役者になってきたのでは?
このほか、専科の箙かおるさんの怪演(笑)も素晴らしかった。オヤジの色気炸裂です。いや、本当に。あと、十輝いりすが目を惹くようになってきていたりとか。下級生に混じっても違和感のない寿つかさ・初嶺磨代とか、いつもながらいい声を聞かせてくれる天羽・風莉の両名など、他にも見所がありました。
まあ、そんなところで